インドネシアの決済アプリ市場の最新動向についてまとめました。
今回の記事のソースについては、末尾でご紹介しています。
決済アプリ市場の概観
- インドネシアの決済アプリの取引高は2018年に15億ドルに到達し、2023年には250億ドルまで成長すると予測されている。
- インドネシアの決済アプリの利用率は過去5年で70%増加。
- フィンテックアプリの利用回数は、2019年の6月は16.7億回から、2020年の6月には28.3億回となり、1年間で70%増加している。
- 決済アプリ利用者の47%以上が3つ以上の決済アプリを使い分けている (Ipsosの調査)。
- 決済アプリ利用者の68%が最低でも週に1回以上、決済アプリを使っている (Ipsosの調査)。
- 1000人へのアンケートによると、Eコマースで買い物をする際に、26%が決済アプリで支払いをしている (JakpatとiPriceの調査)。
- その他のEコマースの決済は、銀行振り込みが30%で最多、デビットカード決済が3%、クレジットカード決済は2%である。

代表的な決済アプリ
- GoPay:GoPayはインドネシアを代表するスタートアップGojekの決済サービスである。GoPayの独自のアプリはなく、Gojekのアプリの中の一つの機能として統合されている。
- OVO:OVOはインドネシアの財閥の一つであるLippo グループからスピンオフした決済サービスである。TokopediaやインドネシアのGrabなどの決済パートナーになっている。
- DANA:DANAは中国最大のフィンテック企業Ant Financialとインドネシアの財閥Emtekから出資を受けている決済サービスである。
- LinkAja:LinkAjaはインドネシア政府所有の決済サービスである。株式の85%が、インドネシア最大の通信会社Telkomsel、最大手銀行のBank Mandiri、BNI、BRIによって所有されている。

決済アプリ各社の比較
- 2019年Q2 ~ 2020年Q2の間のアクティブユーザー数は、GoPay、OVO、DANA、LinkAjaの順番で多かった (App AnnieとiPrice Groupの調査)。
- Ipsosの調査によれば、「最も身近に感じる決済アプリ」は、58%がGoPay、29%がOVO、9%がDANA、4%がLinkAjaと回答した 。

所感
- インドネシアの決済アプリで最も人気なのはGoPayである。これはGojekという代表的なサービスとしてのブランド効果も大きいが、単純に利用する機会が多いというのも大きな理由としてあるだろう。
- GoPayとその他の決済アプリとの大きな違いは、GoPayはGojekのアプリの一つとして組み込まれている、一方で、その他の決済アプリは決済用途のみの専用アプリであることだ。
- これが意味することは、利用者がフードデリバリーやモバイル投資などのGojekのサービスを利用するためにアプリを開き、そのサービスを利用する際にGoPayで決済するということである。
- 一方、OVOやDANAなどは外部のプラットフォームに乗っかり、一つの決済手段として彼らの決済サービスを提供している。
- しかし、一般的にEコマースやフードオーダーアプリなどの多くは、銀行振り込みやコンビニ決済や複数の決済アプリを使った決済手段を提示するので、OVOやDANAは常に競争する立場に立たされる。
- このことからOVOは、大手EコマースのTokopediaやライドシェアのGrabなどとエクスクルーシブな決済パートナーになるなどの動きを見せている。
- しかし、ブランドの露出効果という意味で言えば、GoPayには劣ってしまうだろう。
ソース
- iPrice – E-Wallet Lokal Masih Mendominasi Q2 2019-2020
- iPrice – Siapa Aplikasi E-wallet dengan Pengguna Terbanyak di Indonesia?
- Ipsos – THE EVOLUTION OF THE DIGITALWALLET
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