インドネシアのコワーキングスペース企業Greenhouseがインドネシアのオムニバス法に関する記事を出していたので要点のみご紹介します。
詳細や正確な情報については、Greenhouseの元記事をご覧ください。
要点
- オムニバス法は、今年の2月にインドネシア政府が国会に提出した経済政策に関連する新法案である。外資規制の緩和による景気の刺激と雇用の促進などの内容が盛り込まれている。
- オムニバス法の内容の中で、外資企業に影響のある提案は「ビジネスライセンスの簡素化」「外資規制の緩和」「労働法の緩和」「法人税制の簡素化」の4つである。
- 「ビジネスライセンスの簡素化」
- 現在、インドネシアで、外資企業がビジネスを行うために少なくとも1つ以上のライセンスが必要となる。しかし、ライセンスの発行主体である政府組織が複数にまたがるため、どの事業ライセンスを、どこで、どの順番で取得すべきかといった情報が複雑で分かりにくいという課題がある。
- そこでオムニバス法は、ほぼ全ての事業セクターのビジネスライセンスの取得プロセスを簡素化する。具体的には、外資企業がオンラインのシングルサブミッション (OSS)のシステムを通じて、一回の提出でビジネスライセンスを取得できるようにするというものである。
- 「外資規制の緩和」
- オムニバス法では、中央政府に関連する活動として投資が制限されている分野を除いた全てでのビジネス分野の投資を奨励すると提案されている。しかし、詳細については明らかになっていない。
- これはインドネシアのネガティブ投資リストの緩和であると予想されている。ここでネガティブ投資リストとは、放送事業など特定の事業分野での外資による資本参画の上限を設ける規制のことを指す。
- 「労働法の緩和」
- インドネシアの労働法は、APACの他の国と比較して、労働者に優しく、企業にとって厳しいと言われている。
- オムニバス法は、外資企業が参入しやすくするために、より企業に寄りそった内容の労働法にする狙いがある。
- 「法人税制の簡素化」
- オムニバス法は、現在バラバラに散らばっている税制の枠組みを統一する。重複している規制を減らし、法人向けの税制優遇の措置を行う。
- その一つが、2021年から2023年にかけて、法人税率を25%から20%に段階的に引き下げるというものである。
- その他には、利息支払いによる所得税の税率の引き下げが提案されている。
- 現在、オムニバス法の審議については、新型コロナウイルスの影響で保留されているが、数ヶ月以内に実施されると予想されている。
所感
- インドネシアは東南アジアで一番大きなマーケットであるにも関わらず、外資の規制とビジネス環境の複雑性が原因で外資企業の参入が踏み止まるということがこれまでにあった。
- オランダの会計事務所TMFグループが発表したレポートによると、インドネシアのビジネス環境は対象の77ヵ国中のうち最低と評価された。その主な要因は、労働法やネガティブ投資リストなどの規制である。
- 今回のオムニバス法は、まさにそんなインドネシアの劣悪なビジネス環境を改善する大きな一歩と言える。
参考
- 今後のオムニバス法の動向を追うにはJETRO インドネシアのビジネス短信、外資参入の相談についてはインドネシアの投資調整庁(BKPM)の日本事務所がおすすめです。
- その他参考記事 (日本語)
- JETRO :「雇用創出オムニバス法で外資規制緩和の方針 」
- ZeLo法律事務所:「オムニバス法~その背景と主な規定について」
※ 免責事項:本記事の内容は専門的な法務や税務の助言ではありません。情報の正確性や完全性をお求めの場合は、元記事をご参照ください。また、本記事に関連する情報を基にした具体的な行為や決断に関しては、法務や税務などの専門家にご相談してください。
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